夏が近づくと読みたくなる「夏の庭」

本の紹介

小学生の頃の記憶は学校での出来事よりも、休日に何をして遊んでいたか、学校が終わった後何をして遊んだか、と言う記憶が鮮明に残っているように感じます。

私の場合は、家が牧場で山奥に住んでいたこともあり学校よりも家の手伝いをしたり、山の中に秘密基地を作ったり、夕日を眺めたりとなんでもない事がとても懐かしく感じます。

一番思い出鮮明に思い出す季節は夏。

私は7月の終わりころになると、祖父母のいる愛媛県宇和島市で行なわれる夏祭りに必ず行っては祖父母の家に泊まりに行ったものです。そのときのことを思い出し、心躍る気持ちになります。

初夏の暑さ、夏の風、蝉の声、オレンジや赤に染まった山際の夕暮れ。全てが毎年同じで、蚊の鬱陶しさも愛おしく思い出す。そんな記憶が蘇ります。

そして、そんな思い出を思いださせてくれるのが、湯本香樹実さんの「夏の庭」

だと思います。

「夏の庭」

夏の庭は私の本棚の中に長い間読まれずに、埃をかぶっていた本の1冊でした。

なんとなくきっかけがないと読めないと読めなかったと言う事で、読書メーターで感想を読んでなんとなく興味が湧き読んでみた本でした。期待値は低めでした。

そのせいか、思った以上に引き込まれ、いつの間にかおじいさんに対しても男の子たちにも感情移入しました。

この話の始まりは「死んだ人が見たい」と思う小学生の男の子たちの興味から始まるお話です。

男の子たちの人間関係と、おじいさんとの関係性の変化が上手に描かれており、お話は長くないのに濃厚な一冊。

中学生で読んだ方がいい!と言うコメントも多いのですが、私は今34歳で読めてよかったと感じる一冊です。

青春時代に読む感覚とはまた違うのかもしれないですが、この年になったからこそおじいさんの心情に寄り添えたり、男の子たちの心情の変化や少しずつ大人になっていく姿を観察できたり楽しく読めました。

まるで、一緒に男の子たちとおじいさんと仲良くなっていくように、私も少しずつおじいさんに心を開き、そしてある時はおじいさんの立場で物事考えてみたり。

読み手によってどの角度からでもこの物語を読む事ができるなぁと感じました。

夏を感じる気候になり、夕陽の美しさにしみじみとする瞬間、

この「夏の庭」でまたおじいさんと男の子たちと過ごしたくなります。

四季に合わせて読みたくなる本

「夏の庭」は夏前に読みたくなる本ですが、季節や行事(クリスマスやお正月)がくると読みたくなる本もあるかと思います。

春は爽やかな出会いの本が読みたくなったりします。

また、季節に合わせて好きな本を紹介できたらと思います。

さて、次はどんな本を読もうかな〜♪

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